又吉直樹を招いた特別公演「×(カケル)ソーゾーシー」、9月25日(月)19:30に放送。


日本映画専門チャンネルは、7月13日に深川江戸資料館小劇場で行われた特別公演「×(カケル)ソーゾーシー」の模様を9月25日(日)19:30から独占放送する。

「ソーゾーシー」とは、瀧川鯉八・春風亭昇々・立川吉笑・玉川太福の4人によって2017年に旗揚げされ、「新作こそがスタンダード」を掲げてゼロから新しい落語&浪曲を生み出す創作話芸ユニット。

そんな「ソーゾーシー」がゲストにお笑い芸人であり芥川賞作家でもある又吉直樹(ピース)を招いて新たな「創作」に挑んだのが、この特別公演「×(カケル)ソーゾーシー」だ。

特別公演「×(カケル)ソーゾーシー」は、通常の落語・浪曲公演とは大きく性質が異なるもので、まず事前に又吉が「そうぞうしい」をテーマに「5・7・5」の定型に制限されることなく自由に表現する自由律俳句をつくり、「ソーゾーシー」の4人に渡す。4人はその自由律俳句をお題として、それぞれ新作の落語・浪曲を創作し、本番当日に高座でネタ下ろしをする。そして、4人の新作が披露されたのちに、お題の詠み人である又吉を交えた上でそれぞれの新作のお題になった自由律俳句とはどんな内容だったのかが明かされるというのが、この公演の流れだ。つまり、観客はお題については何も知らされていない状態でそれぞれの新作を聞くこととなる。

当日この公演を体験した感想としては、披露された落語や浪曲の印象がそのままでは終わらずに、お題の自由律俳句が示されることでもう一化けする感覚に驚きを感じた。まるで表情が一変するものすらあった。「ソーゾーシー」の4人が披露した新作にはそれぞれ筋に飛躍がありすぎる部分やこちらの理解がついていかない部分もあったが、そこに又吉の自由律俳句が生み出す「余白を楽しむ感」が相まって、何か途方もないものを見せられた感覚に陥った。観客は幾重にも張り巡らされた「×(カケル)ソーゾーシー」の仕掛けに簡単に引き込まれて、演芸の公演を見に来たということを忘れてしまうほどだっただろう。

披露された新作のストーリーのみならず、この公演自体がどこに帰着するのかが最後まで分からないというスリリングさと、全く新しいものを見ているんだという高揚感が綯い交ぜになった唯一無二の空気。そんな貴重なこの公演の空気を、ぜひとも放送で体験していただきたい。会場全体で感じることのできた壮大な実験を一緒に目撃しているという共犯的感覚と、ほんの少しの「分かる人だけわかればいい」と言わんばかりの秘密ラボ感は、放送でも十二分に体感できるだろう。そして、放送ですべてが明らかにされる又吉の自由律俳句の奥深さもじっくりと味わってほしい。


・放送情報
 特別公演「×(カケル)ソーゾーシー」
 出演:瀧川鯉八 春風亭昇々 玉川太福 立川吉笑/玉川みね子(曲師)
    又吉直樹(ピース)
 日時:9月25日(月)よる7時30分
 チャンネル:日本映画専門チャンネル
 ※スカパー!番組配信にて、見逃し配信あり(9月25日よる9時40分~10月9日よる9時40分)
 公式サイト:https://www.nihon-eiga.com/osusume/s-z-s/

・公演内容
 7月13日(木)公演
 オープニング(ソーゾーシーのトーク、企画説明映像)
 ~ソーゾーシー4人の落語&浪曲披露
 ~又吉直樹を含めた5人のトーク(又吉直樹の自由律俳句を発表)
 ※自由律俳句10句の詳細は、放送を見てのお楽しみにしていただければ幸いです。

・演目タイトル
春風亭昇々 「一族」
玉川太福  「ベランダの母」
瀧川鯉八  「いちについて」
立川吉笑  「霊か楼か」