噺-HANASHI-とは
ようこそ、落語という新たなエンターテインメントの世界へ。
落語は古典芸能の一種であり、色々なしきたりや、今では馴染みのない用語などが出てきたりと、少しとっつきにくいものだと思われている人が多いかもしれません。
確かに21世紀の今、金屏風に座布団一枚の高座に、着物姿の噺家さんが三味線や太鼓の出囃子にのって登場してくるという時点で、気後れしてしまうのも分からなくもありません。
一般的に、落語=ご高齢の方の娯楽というイメージもあるかもしれません。
今まではそうだったと言い切ってもいいかもしれません。
笑点の客席は、実際にご高齢の方々で埋まってますから。
数年前に宮藤官九郎さん脚本、長瀬智也さん、岡田准一さん主演のTVドラマ「タイガー&ドラゴン」(2005年)で落語の世界が描かれたのを始め、佐藤多佳子さんの小説「しゃべれども、しゃべれども」(1998年発刊、2000年に単行本化)がベストセラーになり、国分太一さんと香里奈さん主演で映画化(2007年)されました。また、NHK連続テレビ小説で貫地谷しほりさん主演の「ちりとてちん」(2007年10月~08年3月)が放送されその後DVDが大ヒットを記録したり、ミムラさん主演の映画「落語娘」(2008年)が公開されたりと、次々に落語の世界が広く紹介されて、「落語ブーム」という言葉がメディアに登場した時期がありました。
その時、確かに寄席や落語会にはお客さんが増え、何か盛り上がっている感じはありました。事実、その時期には大銀座落語祭(2004年~2008年)という落語界での一大イベントも行われ、東西の噺家が所属する協会の垣根を越えて銀座に集結し、新たな胎動を感じていました(そして私は、狂喜乱舞していました)。
ただ、ブームといわれたものは、必ず過ぎ去ります。その落語ブームの時期を過ぎた今、落語界はどうなっているのでしょうか?
実は、盛り上がっています。
それも、静かに、そして、確実に。
これは、落語ブームと呼ばれた時期を境に、いわゆる名人と呼ばれるクラスの一歩手前、中堅の噺家さん達(落語界でいう中堅とは、40代~50代だったりします!)が着実に力をつけ始めて来た事と、その人達の地道な努力があります。実は、先にあげたドラマや映画には、この人達が出演したり、落語指導をしたりと積極的に参加していました。そして、落語という古典芸能に、新たな風を吹かせるべく多くの噺家さんが切磋琢磨し、今、落語界は豊作の時期を迎えようとしています。
その証拠に、近年、寄席以外で開催される落語会の数が増えています。
そして、それらはとても魅力的なエンターテインメントとして注目され始め、チケットがすぐに売り切れてしまうものも多くあります。スターが多く生まれていると言ってもいいかもしれません。
NHKの番組でお馴染の立川志の輔や、笑点に出演の春風亭昇太を始め、柳家喬太郎、柳家花緑、立川談春、等など。
実際の落語をしている姿を観た事はないかもしれませんが、おそらく一人も名前を知らないという人はいないと思います。実際に、ここで名前をあげた噺家さんが出演する会のチケットは、すぐにソールドアウト。
そして、私が落語好きであると知っている友人、知人から「最近、落語に興味があるんだけれど、一体どうすればいいの?」とか「誰を観に行った良いの?」という質問を受ける事が多くなっています。それも、急激に。
これが、今、落語が再び注目され始めていると私が言っている証拠なのです。
いや、落語が注目されているというより、注目を集め始めた噺家さんが増えたと言ってもいいかもしれません。
ただ、そんな静かに、そして確実に盛り上がりを見せている落語界と落語会。その情報が広く行き届いているかというと、まったくもって、そうではありません。私も一人の落語ファンとして、必死になって落語会の情報を集めています。でも、やっと手に入れた落語会の情報も、時既に遅しで、とっくに売り切れ。そんなことが、頻繁にあります。
なぜこんなことが起こるのか?
その理由は、簡単です。
落語会の情報が一ヶ所に集まっていて、観たい噺家さんが出る会を調べたり、見比べたりと気軽にチェック出来る術がないからです。
はい。無いなら、作りましょう!
それが、このサイト「噺-HANASHI-」です。
今、古くも新しいエンターテインメントとしての落語の情報を、お届けします。それも、気軽に、分かりやすく。マニア向けのサイトや、玄人の為の書籍は沢山あります。ただ、小難しいウンチクは、ここでは要りません。それは、おいおい知っていけばいいものです。
それよりも、とにもかくにも、生の落語に触れてみませんか?
まずは、そこから始めましょう。
その入り口が、このサイト「噺-HANASHI-」です。
落語会の情報を中心に、今、注目すべき噺家さんの紹介や、実は深い落語の世界のイロハを紹介していきます。小難しいことは抜きにして、気軽に、本物に触れる為の入り口になれればと思っています。
さあ、「古くも新しいエンターテインメント=落語」の世界へ、ようこそ!
平成25年1月15日
噺-HANASHI-主宰 加藤孝朗