「立川談志 まくらコレクション」、落語二席の音声配信コード付きで発売。


竹書房は、文庫『立川談志 まくらコレクション これが最期の“まくら”と“ごたく”』を2021年11月18日(木)に発売した。

これは、立川談志が2007年まで33年間、58回ものゲスト出演をした「にっかん飛切落語会」の貴重な録音から、“まくら”部分を抜粋して活字化したもの。

また、落語二席の音声配信QRコードがついており、2000年2月9日国立演芸場にて録音された『蜘蛛駕籠』と『芝浜』の二席も聞くことができる。

キャッチコピーは、「生誕85年! 世相を斬った“まくら”で知る立川談志の生き様と死に様」。

この注目すべき1冊は、現在好評発売中。


【商品概要】

■立川談志まくらコレクション これが最期の“まくら”と“ごたく”

著者 立川談志
構成 十郎ザエモン
まえがき・あとがき サンキュータツオ

●価格 990円(本体900円 税率10%)
●判型 文庫
●予定頁数 256頁
●QRコード音声配信高座
2000年 2月9日 国立演芸場にて録音
『蜘蛛駕籠』 『芝浜』 二席を予定

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生誕85年! 世相を斬った“まくら”で知る立川談志の生き様と死に様

立川談志は、1974年に若手の落語家の研鑽の為に開催開始された「にっかん飛切落語会」へ2007年まで33年間の間、58回ものゲスト出演をいたしました。本書は、その残された貴重な録音から“まくら”部分を抜粋して、活字化したものです。日本社会、政治、落語の本質を鋭く見極めた落語家であった立川談志は、現代社会の中で揺れ動く日本人の常識や哲学を、明確な談志の基準で現実につなぎとめる話芸を、笑いとともに披露しています。

本書を紐解けば、今日の発展したネット社会、不寛容な世相、多様性の価値基準の問題点などは、すでに立川談志が語った“まくら”の中に答えが預言されていたかのような驚きがあります。

■立ち読み(1)

 ジョークが人生、本当なんですよね、おれに言わせると。ジョークが本当で……、本当ってのは、捻じ曲げた世界だと思っているから。もっと言うと、落語が本当なんです。だから捻じ曲げられた常識という名の世界にいる奴らは、どうも面白くないから落語を聴くんです。夢で満足するんです。覚せい剤打ちたがるんですよ(笑)。随分、飛躍しているけどね。ヤクザが好きになる。そういうことです。手品が見たいのです。イリュージョンの世界に入りたいんですよ。

 まともじゃ暮らせないから、歪めてこういう常識を作ったんでしょう? ねぇ? その常識に堪らないから、あのう、世間で言っている非常識という状況、これは元々そうなんですから。そこへ行きたがるんでしょう?

■立ち読み(2)

 落語っていうのはね、あの、ありとあらゆる知識を集めてねぇ、「知識なんぞ要らねぇよ」って言ってる稼業です。これ面白い稼業でしょ? 知識を集めて、知識は要らない。なぜ集めるかって言うと、集めねぇと納得しねぇって事実があるからね。納得しなくて、ただこう、出て来てねぇ、知識も何にもなくて、何にもなくて、たいしてなくてね、「本当に知識なんぞ要らねぇよ」っていうのを観せられりゃぁ、これは最高だと思うけどね。なかなかそこへ行かないので、苦しがっているんですよ、おれも(笑)。

■著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

立川/談志

1936(昭和11)年、東京都に生まれる。本名、松岡克由。16歳で柳家小さんに入門、前座名「小よし」。18歳で二つ目に昇進し「小ゑん」。27歳で真打ちとなり、七代目(自称五代目)立川談志を襲名する。1971(昭和46)年、参議院議員選挙に出馬し、全国区で当選。1977(昭和52)年まで国会議員をつとめる。1983(昭和58)年、真打ち制度などをめぐって落語協会と対立し、脱会。落語立川流を創設し、家元となる

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